マリア様がみてる キラキラまわる

「そんな早くウインカーを出すことないって」
「あー、そこ右だったのに」
ヒートアップしたナビゲーションの声が、空気の悪い車内にこだまする。
マリア様のお庭に集う乙女たちが、今日は徹夜明けのような陰鬱な表情で
遊園地の入場門をくぐり抜けていく。
汚れを知らない心身を包むのは、リベンジに燃える復讐心。
カメラは壊さないように、出生の秘密は重くならないように、ゆっくり歩くのがここでのたしなみ。
もちろん、遅刻せずに開園前に集合するなどといった、時間に正確な生徒など存在していようはずもない。

のっけから微ネタバレですが
発売からひと月以上たってるので、この程度は許してください。
どうもマリみての男性ファンには少ないといわれるのですが
僕は由乃派です。

途中なんだかんだでひっぱったマリみても
やっと最終回へのカウントダウンが見えてきた・・・のかな？
新刊が出てたの知らなくて最近やっと読みました。

今回は遊園地リベンジデートの経緯を描いてるのですが
予想通り期待通りのいい意味でのマンネリズム全開で
さりげなくあの人の秘密とかもバラされつつの展開でした。
全体的にうまくまとまってきたと思います。
既刊の中では僕ランキング内でまあまあ上位に入りました。

もう、結局シリーズ通してずっと引っ張ってた
瞳子が妹になるかならないかの問題が決着ついたので
やっと安心して読めると思ったらもう卒業シーズンですよ。
僕としては令と由乃のやりとりがもっともっと読みたいのですが
あと3冊かそこらで終わりなんでしょうか。

残った僕の気がかりは、笙子のお姉さんとか、鵜沢美冬さんとか
そのあたりの報われないキャラクターたちに
ちゃんとハッピーエンドが訪れるか否かの一点です。
作者の今野さんのには、そのあたりのキャラにもマリア様のご加護をぜひお願いしたいですな。