この漫画については、ぜひレビューしてみなさんにオススメしようと
思ったまま書くチャンスを逃してました。
例によってアニメも小説も読んでなくて、原作漫画だけなんだけど
最近やっと最新刊を読むことができました(一ヶ月以上遅れで)。
吸血鬼の一族の女の子と、人間の男の子のラブコメ。
アニメ版の公式
吸血鬼の一家に生まれた女の子と、人間の男の子のラブコメ、
しかもヒロインは完全な吸血鬼の能力を有しない上に超ドジッ子、
とくると、当然比較の対象として思い出されるのが
「ときめきトゥナイト」です。
確かに影響がないといったらウソになるんでしょう。
ただ、最大のポイントはむしろ男の子の立場にあるかな。
「ときめきトゥナイト」(第一部)のヒーローは真壁君。
彼ははじめは、昔の少女漫画によくあった
ちょっと不良っぽくて実はいい人、というハンサム君だったわけですが
実はとんでもない出生の秘密と能力を持っていて、それが話の根幹に関わってきます。
それにたいして、「かりん」のヒーローである雨水君は
出生の秘密も能力もない、平凡以下の
「不幸」を体現する家庭環境にある男子高校生であって
それゆえに、このラブコメを「現実」の世界から完全に乖離させずに
感情移入をしやすくさせているのではないかと思います。
今後のストーリー展開で何があるかわかりませんが(単行本しか読んでないし)、
彼が「ふつうの人間」というステイタスを維持することが
この作品の魅力を左右すると思います。
で、ヒロインの「かりん」、真紅果林のほうなんですが
これは漫画のヒロインとしては十分な魅力を備えていると思いますね。
ドジっ子で内気で責任感が強くて一途で思いやりがある、というだけで
十分合格点なんですが
この子のすごいところは、その吸血鬼としての特性でして
何の因果か(これ自体がストーリーの核なんですが)、血を吸うのではなく
ある条件が整うと、自分自身の血が増えすぎて鼻血を噴いて血まみれになってしまう。
で、それを防ぐために、ヒトに血を供血しなくてはならない、という
吸血鬼と逆の「増血鬼」なんです。
ヒロインがことあるごとに鼻血を噴いて血まみれになりながら
その状態で思いのたけを言葉にしたりするという絵面が
なんというか、非常にシュールで衝撃的でした。
そのあたりの超常設定を抜きにしても、純粋にラブコメとして面白いので
ご存じなかった方はぜひご一読を。
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